横型ブラインド(ベネシャンブラインド)ってどんな特徴があるの?
「覆い隠すもの」「目隠し」というような意味合いの「ブラインド」。
言葉の用例としては、手元を見ずにキーボードを打つ「ブラインドタッチ」や、視覚障害のある選手がプレイする「ブラインドサッカー」などがありますが、インテリアにおいて「ブラインド」と言うと、多くの方が思い浮かべるのがこのようなものだと思います。
これは、ブラインドというジャンルの中でも、特に「横型ブラインド(ベネシャンブラインド)」と呼ばれる商品です。
昔からよく使われているものですが、それだけに、ちょっと古くさいイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし横型ブラインドには、カーテンやロールスクリーンには無い「ブラインドならでは」の利点があります。
ここでは、そんな横型ブラインドについてご紹介します。
目次
横型ブラインドって?
横型ブラインド(ベネシャンブラインド)は、スラットと呼ばれる羽が水平方向に並んでおり、上下方向に開閉する商品です。
全体を上げ下げするだけでなく、全て下ろした状態のままでもスラットの向きを調節することで、外からの視線や強い直射日光を遮りながら光の入り方を調節することができます。
窓まわり商品ではカーテンをはじめとする布製の製品が大半を占める中、横型ブラインドは金属であるアルミが主流なのがちょっと異色なところ。最近はアルミ以外にも木や竹、樹脂でできたものなどもあり、お部屋の雰囲気に合わせてお選びいただけます。
一般的には「ブラインド」というとこの横型ブラインドを指しますが、同じくブラインドと呼ばれるものには「縦型(バーチカル)」のものもあるため、区別のために「横型」と呼ぶことがあります。
【参考コラム】縦型ブラインド(バーチカルブラインド)ってどんな特徴があるの?
ちなみに、「ベネシャン(Venetian)」とは「ベネチア風の」という意味で、横型ブラインドはその名の通り、イタリアが誇る水の都ベネチア(ベニス)から広まったと言われています。
横型ブラインドのバリエーション
上でも書いた通り、横型ブラインドにはさまざまな素材が使われたものがあります。
アルミ
最もオーソドックスなのはアルミ製のブラインドです。住宅だけでなく、オフィスや公共施設でもよく使われていますね。
横型のアルミブラインドは、とてもカラーバリエーションが豊富な商品です。
- 見ると元気になりそうな原色のもの
- 住宅に馴染みやすいニュアンスカラーのもの
- ツヤのあるもの
- マットな質感のもの
- 表と裏で色の違うツートンカラーのもの
- 木目調など柄をプリントしたもの
- ブラインドを閉めたままでも光が届く穴あけパンチング加工を施したもの
など、カタログを見ていると目移りしてしまうほどです。
この豊富なカラーバリエーションを活かして、スラットの色を自由に組み合わせてオリジナルコーディネートすることもできたりします。
タチカワブラインドのWEBサイトでは、カラーコーディネートのシミュレーションをすることができます。
そして、色だけでなく機能的にも
- 太陽光に含まれる赤外線の反射効果を高めて室内に熱が入りにくくした遮熱加工
- 光に当たることで防汚・抗菌・消臭効果が得られる酸化チタンコート加工や光触媒加工
- 汚れが付きにくく、かつ簡単に落とせるフッ素コート加工
- 光を採り入れながらもスラットに反射する不快な眩しさを抑制するノングレア・グロスレス加工
など便利なものがたくさんあります。
また、従来のアルミブラインドと言えば、スラットに穴を開けて昇降コードが通っており、スラットを閉めてもその穴から光が漏れてくるのが気になるという方もいらっしゃいました。
最近の製品では、スラットに穴を開けず、スラットを挟んで前後に昇降コードを付けることで光漏れを軽減したものも出てきています。
【参考コラム】穴の無いブラインドやプリーツスクリーン、ご存知ですか?
ところで、このアルミ製のブラインドには、スラットの幅(太さ)にもいろいろなバリエーションがあることをご存知でしょうか?
太さが違うと、イメージもかなり変わります。
スラット幅25mm
一般的に最もよく見かける、スタンダードな太さです。
幅広い大きさの窓に対応します。
スラット幅15mm
25mmのブラインドよりスラットがスリムですっきりとした印象で、光の入り方が繊細なイメージになります。スラットを開けたときの隙間が狭いので、よりプライバシーを守りやすいブラインドです。
小さな窓にもオススメです。
スラット幅35mm・50mm
スラット幅の太いブラインドは、アルミ製ブラインドの無機質なイメージが和らげられ、住宅の大きな窓にもよく似合います。
スラットを開けたときには、より大胆に光を取り入れることができます。
昇降コード部分にファブリックテープを付けた「ラダーテープ仕様」は、スラットの色と合わせたり、あえて違う色を選んでアクセントにしたりというコーディネートも楽しめます。
木(ウッドブラインド)
天然の木材を薄くスライスして加工したものをスラットとして使っているブラインドです。
白木のような明るい色のものはナチュラルなお部屋に、あえてかすれたような塗装を施したものはフレンチシックな家具に合わせて、深い色で重厚感のあるものは書斎や隠れ家カフェのような雰囲気に、など、一口に木製と言っても色にはバリエーションがあるため、さまざまなテイストに似合います。
スラットの木材は、一枚一枚を比べると色味にうっすらと差があったり、木目の柄が違ったりします。そういうニュアンスも含めて、天然素材の良さを感じられる商品です。
木製ブラインドには、太幅のアルミブラインドと同様に「ラダーテープ仕様」があり、ニュアンスのある木のスラットとファブリックテープのコーディネートを楽しむこともできます。
変わったところでは、スラットをウェーブ型にカットし、カーテンのように柔らかい立体感を持つ木製ブラインドもTOSOから発売されています。
竹(バンブーブラインド)
こちらも天然の竹を薄く削ったものをスラットとして使っているブラインドで、ニチベイから発売されています。
木製のブラインドと似た雰囲気ですが、竹は木よりも軽いため操作が軽いこと、また成長が早い素材のためお値段もリーズナブルなのが特徴です。
木製ブラインドと同じく、天然素材ならではの色や柄のニュアンスも含めてお楽しみいただけます。
樹脂
タチカワブラインドとニチベイの、50mmのアルミブラインドと同じシリーズには、すりガラスのような半透明の樹脂スラットもあります。
視線は遮りながら、外の光を柔らかく拡散してくれるので、お部屋が明るく感じられます。
ニチベイの商品には、無地だけでなく遊び心を感じる柄の入ったものもあります。
この写真のものは、半透明のスラットにツタの葉のようなプリントが施してあり、まるで窓の外に青々とした木が繁っているような雰囲気を感じますね。
また、水に弱い木製ブラインドを、雰囲気そのままに水回りでも使えるよう、木に似せて作った樹脂製の防水ウッド調ブラインドもあります。
樹脂製とは言え、色合いや木目の感じも精巧に再現されており、パッと見では木ではないと分からないくらいの見た目と、場所を選ばず使える機能性を兼ね備えています。
横型ブラインドの操作方法
上下の「昇降」と、スラットの角度を変える「開閉」、2つの操作を行う必要がある横型ブラインド。
製品によって操作方法もいろいろですが、最も一般的な25mm、15mmのもので代表的なのは「ポール式」と「ワンポール式」です。
ポール式
タチカワブラインド製品では「ポール操作」、ニチベイ製品では「ポール式」TOSO製品では「コード&ロッドタイプ」と呼ばれる操作方法です。
ポール(もしくはロッド)と呼ばれる棒状のものと、操作コードとが別々に付いており、コードを引っ張ると上下に昇降し、ポール(ロッド)を左右に回転させるとスラットの角度が変わります。
横型ブラインドの操作方法としては昔から馴染みのある、オーソドックスな方法です。
ワンポール式
筒状のポールの中に操作コードが内蔵されており、ポール式のポールとコードが一体化したような操作方法です。
筒状のポールのグリップ部分を持って回転させるとポール式と同様にスラットの角度が変わり、グリップの下から出ている昇降コードを引っ張ると上下に昇降します。
見た目にはポール一本だけになるので、スッキリした印象になる他、模様替えで家具の配置が変わったときに、操作しやすいよう操作位置を左右で切り替えたりできるのも特徴です。
その他の操作方法
ポール式、ワンポール式以外にも、メーカーや製品によっていろいろな操作方法があります。
ループコード式
主にニチベイ・TOSOの木製ブラインドや太幅(35mm、50mm)のアルミブラインドに使われる操作方法で、一本のコードのみで操作します。コードを少し引くとスラットの角度が変わり、さらに引くと昇降します。
通常のループコード式は上げるときも下げるときもコードを引っ張る必要がありますが、より操作が簡単な、下げたいときは軽く引っ張ると自動で下がっていくタイプもあります。
チェーン式
以前はタチカワブラインドの木製ブラインドも上のループコード式が主流でしたが、近年、ロールスクリーンやローマンシェードと同じようにボールチェーンを使った「チェーン式」に切り替わりました。
他の製品と統一感のあるデザインや、樹脂製チェーンならではの耐摩耗性、通常以上の力がかかると外れる部品「セーフティーチェーン」で安全に配慮した点などが売りとなっています。
※他社製品もコードに同様のセーフティージョイントを搭載したり、使わないときはコードを束ねておくクリップがあったりと、各社安全対策には気を配っています。
【参考コラム】ロールスクリーンなどについているクリップは何に使うの?
ループコード式と同様に、軽く引っ張ると自動で下がっていくタイプも選択可能です。
コード式
昇降用とスラット開閉用の2本のコードがあり、それぞれ引っ張ることで操作するタイプです。
重かったり大きさのある製品には対応できないため、一部の限られた製品のみの対応となります。
横型ブラインドはどんな窓にオススメ?
カーテンやシェードのようなファブリック製品は閉めるか開けるかのどちらかですが、横型ブラインドなら全体を降ろしたままスラットの角度を簡単に変えられるのが最大の特徴。
プライバシーを守りつつ、光の入り方を細かく調整することができます。
そのため、「眩しいのや外から見えるのは困るけど、外の光を適度に採り入れたい」というところによく使われています。
水まわりにも使えます
お風呂やキッチンなど水まわりの窓には、アルミブラインドや樹脂製ウッド調ブラインドがオススメです。
お風呂は湿気がこもりやすく、またキッチン周りは油汚れがつきやすく、どちらもファブリック製品では対応が難しいところですが、スラットだけではなく部品も全て錆びにくい素材で出来ている耐水タイプのブラインドならバッチリ対応できます。
汚れが付きにくく落としやすいフッ素コート加工のスラットを選べば、お手入れもより簡単ですね。
変わった窓にも対応可能!
水まわり以外でも、アルミブラインド「だからこそ」対応できる窓があります。
それは、円形、三角形、台形やアーチ型などの変形窓。
アルミブラインドなら、せっかくの特徴ある形の窓を四角く覆ってしまうのではなく、窓に合わせてピッタリ収めることができるのです。エアコンや家具など障害物がある場合も、その部分の角をカットした形で取り付けることが可能です。
出窓や傾斜のある窓、天窓などにも対応できるので、アルミブラインドは全ての窓まわり製品の中で最も多彩な窓に対応できる製品と言えます。
横型ブラインドを選ぶ・使う時のポイント
横型ブラインドの最大のメリットは、商品を下げた状態で光と視線の調節ができる点です。
昼間、お部屋の外側に凸面を向ければ直射日光を遮りつつ柔らかな光を採り入れながら、上からの視線を遮ることができます。反対にお部屋の内側に凸面を向ければ、光をたくさん採り入れつつ下からの視線を遮ることができます。
ただし、光を入れつつ風も通したいという場合、強い風が吹くとスラットどうしが擦れる音が気になったり、風に煽られたボトムレールが窓にぶつかることがあります。開閉の頻度が多い窓に設置する際は注意が必要です。
製品によっては揺れを軽減するオプション部品があるものもございますので、購入を検討されているときはご相談くださいね。
また、長く使っているとどうしても中を通るコードや、昇降部分のコードが擦り切れたり痛んでくることがあります。
スラットを閉めた状態のままで昇降操作をすると穴とコードが擦れて消耗が早くなってしまいますので、昇降する際はスラットを水平にしてから操作するように心がけてくださいね。
お手入れするときは、ゴム手袋の上から軍手をはめてスラットを指で挟み、そっとスライドすれば簡単にお掃除ができます。耐水タイプなら、外して丸洗いすることも可能です。
アフター対応もいたします
気をつけて使っていても、年数が経つとコードが消耗して切れてしまったり、動きが悪くなってしまったりということはいつか起こってくるものです。
【参考コラム】ブラインドの紐が切れました。直せるの?
かあてんやでは、そのようなトラブルのご相談や修理も承っております。かあてんやでご購入の製品はもちろん、他店で購入されたものでも、取り扱いのあるメーカーの製品でしたら修理対応が可能ですので、お気軽にご問合せください。
お問合せの際は、いくつかお聞きしたいことがございますので、↓こちらのコラムをご参考になさってくださいね。
【参考コラム】ブラインドやシェードが故障かな?と思ったら